相談事例「退職させてもらえない」

【相談内容】
 退職を認めてもらえない!
 (相談者:30代女性 パート)  

【詳細】
 体調不良のため先月から退職したいと申し入れているが、使用者に拒否されています。どうしたら良いでしょうか? 

【対応】
 民法上、雇用契約の解約を申し入れた日から二週間経過しているのであれば解約(退職)は可能です。
 申し入れは口頭でも有効ですが、使用者が退職にかかわる手続きを進めてくれないのであれば、『退職届』を提出し、書面にて意思表示するとよいでしょう。
また、年次有給休暇の残日数がある場合は、取得届を提出しましょう。  
 使用者が対面にて上記書類の受け取りを拒否するのであれば、受け取り日時を記録できる『書留郵便』で送ると良いでしょう。
 今回は相談者に下記書類の書き方を説明するため、組合事務所に来ていただきました。

  1. 『欠勤通知書』
  2. 『年次有給休暇 取得届』(※1)
  3. 『退職届』 
     使用者へ送付した書面は、必ずコピーをして手元に保管するようにしましょう。
     今後訴訟への移行が予想されるのであれば、上記の書類は内容証明郵便(※2)にすることが望ましいです(今回は時間・金銭的な負担が大きいため、しませんでした)。

【ポイント】
・2週間前に意思表示をしていれば退職(雇用契約の解約)はできます。
・退職に関するトラブルについて、ユニオンに加入し、使用者との団体交渉を通して解決する方法もあります。

【補足】
※1 退職時の残年休取得について
 退職時には、残っている年次有給休暇の一括取得ができます。あるいは取得ではなく使用者へ「買い取り」の交渉をすることも可能です。 

※2 内容証明郵便について
 誰が、いつ、誰に対して、どのような内容の文書を差し出したのかということを、郵便局に証明してもらった上で差し出す郵便のことを指します。強い意思表示(をしたこと)の証拠として、裁判でも効力を持ち得るのがメリットです。一方で、字数や行数の制限があり作成に手間がかかる点や、加算料金が付くため金銭的な負担が大きいことがデメリットです。